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2001年宇宙の旅

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2001: A SPACE ODYSSEY

1968年 アメリカ イギリス

監督 スタンリー・キューブリック
原作 アーサー・C・クラーク
脚本 スタンリー・キューブリック アーサー・C・クラーク
出演 ケア・デュリア(デヴィッド・ボウマン)  ゲイリー・ロックウッド(フランク・プール)  
ウィリアム・シルヴェスター(ヘイウッド・R・フロイド)

何か神聖で難解な映画だ、というイメージを持っていたので、あまり回数も観ていなかったし、実はそれほど好きな作品では無かった。初めて観たのは、『スターウォーズ』(1977)の後に、リバイバルで観たように記憶している。しかし、10年前とは思えない映像だったのは、良く憶えている。1968年というと『猿の惑星』と同じ年である。『猿の惑星』も当時はそのメイクアップが、かなり良く出来ていて話題になっていた。そんな猿の惑星を思い起こさせる、冒頭の猿のシーン(『チャーリーとチョコレート工場』に使われていた)が、けっこう長く感じられる。やがて、モノリスが現れ、それに触った猿たちは、動物の骨を道具にして、獣を倒しその肉を食らう。後に他のグループの猿との戦いでは、ボスらしき猿を、骨で殴り殺してしまう。その骨を宙に放ると…。地表から200マイル、小さな宇宙船のようなものにオーバーラップする。その後も、さらに微妙に形の異なるものが3つ現れる。それから、ようやく宇宙ステーションが現れる。よく見ると、建設途中である。まるで「デス・スター」(EP Ⅵ)だな。すぐに「オリオン・スペースクラフト(PANAM)」が現れると思っていたら、そうではなかった。記憶違いは良くあるが、それにしても、ちょっと気になるので、調べてみた。4つの飛行物体は人工衛星のようだ、オリジナルのシナリオには、“地球の軌道上に、ロシアの1,000メガトンの核爆弾”、“アメリカの1,000メガトンの核爆弾”に続いて“フランスの爆弾、ドイツの爆弾、中国の爆弾”などと、書かれているではないか! つまり、モノリスは初めから、猿に“道具(文明)”を与えたのではなく“武器”を与えたと、解釈するべきなのだ。こうなると、最初に観た時の印象とはかなり違ってくる。つまり、2001年でも、世界情勢は大きく変わってはいない。月面開発は、アメリカ主導で行っているか、少なくとも、ロシア人と思われる科学者たちと、フロイド博士とのやりとりから察すると、モノリスの件は他国には極秘で進められているようだ。“国際宇宙協定”に違反まで、ただの黒い柱の存在を隠すとは、大袈裟ではないか? おそらくアメリカ政府は、モノリスの価値を察していたのだ。
そして、人類(アメリカ)は月面のモノリスの示す木星へ向う。
木星探査宇宙船ディスカバリー。いつのまに、こんなものを造ったのだろう。たった、18ヶ月で。外観も大胆だが、船内もかなり、モダンだ。今見ても古さを感じない、むしろ新鮮である。1960年代に、フラットスクエアで薄型のモニタを使っているのには、ちょっと驚きである。当時のテレビといえば四角というより丸型といっても間違いではなかった。クルーは5人、内3人は冬眠中である。そして、HAL9000が登場する。劇中ではコンピュータと言っているが、A.I.(人工知能)である。船全体を管理している。「われわれは、ミスを犯さない」と自信たっぷりだ。さすがは、IBMだな。Macなんて2007年になっても、変なアナウンスを出すのに。
HAL(ハル)は、通信用ユニットの故障を告げるが、実際には故障していなかった。ボウマンとプールはHALの故障を疑い、HALの停止について、HALには聞こえないように、話し合うが、彼らの唇の動きからHALにバレてしまう。ここからHALの攻撃が始まる。船外に出たフランクを突き飛ばし、それを助けにボウマンが船外へ出た隙に、冬眠中のクルーの生命維持装置を切ってしまう。何とか船内に戻ったボウマンはHALの思考を停止してしまう。HALはクルーを抹殺してどうする気だったのか? HALは狂ったのか? おそらく、HALはモノリスの情報を知っていて、自分から接触しようとしたに違いない。もしくはそのようにプログラムされていたのだ。コンピュータを最強の兵器にしたかったのかもしれない。または、コンピュータが制する世界? しかし、ボウマンを殺さなかったのは何故だろう?
政府の真の目的は明かされないまま、コンピュータとの戦いを制したボウマンはモノリスとの接触を果たし「スターチャイルド(? おそらくデス・スター級のパワーがあるのだろう)」となって地球の戻るのだった。
アポロも月に行っていない時代に、これだけの映画を作ってしまったキューブリックとアーサー・C・クラークはすごい。いまだに、本作を超えるSF(サイエンス・フィクション)映画は無い。
2007-11-8

by eekato | 2007-11-08 17:45 | movie review | Comments(0)